【ブラックリスト|自己破産のデメリット】

借金癖を治す「良い環境」と捉える

自己破産のデメリット金融機関のブラックリストに載るということが言われます。

 

自己破産後、長きにわたってお金が借りにくくなり、クレジットカードも作れなくなる、と。

 

これは事実です。

 

「ブラックリストに載る」とはどういうことなのか、どんな不便があるのか説明しましょう。

 

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「ブラックリストに載る」とは何か?

金融業者は、貸したお金が取り戻せなくなる事態を防ぐために、過去に取引のあった個人の信用情報を共有しています。

 

一定期間より長い滞納や、債務整理(任意整理・個人再生・自己破産など)は事故情報として記録されます。

 

事故情報がある個人については、基本的に貸し出しNGとなります。

 

クレジットカードも、購入時から引落日までお金を貸すのと同じなので、作れなくなります。

 

カーローン、住宅ローンなどの高額ローンはもちろん、通販商品の分割払いさえ審査が下りなくなります。

 

これが「ブラックリストに載る」ということです。

 

信用情報を共有する機関としては下記の3つがあります。

 

3つの信用情報機関
(株)日本信用情報機構(JICC) 信販会社、消費者金融、カード会社、金融機関、保証会社、リース会社等
(株)シー・アイ・シー(CIC) 信販会社、クレジット会社
全国銀行個人信用情報センター 銀行、銀行系カード等

 

信用情報機関はもともと消費者金融、信販、銀行といった業界別に作られた私的団体でした。

 

それが次第に互いに情報を交換するようになりました。

 

信販で滞納していることを知らずに、消費者金融が貸して、回収不能になるといったことを防ぐためです。

 

平成18年の貸金業法改正で、信用情報機関同士の情報共有が義務付けられ、どこかで事故を起こせば、すべての金融業者に知られるようになりました。

 

現在、総額いくら借りているか、過去に事故を起こしたことがあるか、などは金融機関の端末からすぐ調べられるようになっています。

 

自己破産の後では、どの金融業者に行ってもすぐにその事実がバレて、融資を断られます。

 

これが「ブラックリストに載る」ということです。

 

「ブラックリスト」という名前のリスト、ファイルないしデータベースがあるわけではありません。

 

ブラックリストに載る期間

では、この不便を自己破産後何年くらい我慢しないといけないのでしょうか。

 

書籍など情報源によって違いがありますが、自己破産の場合は7年とか10年と言われています。

 

一つに定まらないのは、上記の3つの信用情報機関によって事故情報の保存期間が違うからだそうです。

 

まあ、10年はローンも組めないし、分割払い購入もできないし、クレジットカードも持てないと考えてください。

 

これが大方の人にとって、自己破産の最大かつ唯一のデメリットです。

 

官報に名前が出るとか、一時的な職業制限があるなどのデメリットは、実はたいていの場合、大したことはないのです。

 

ブラックリストに載るデメリットとメリット

今日、ほとんどの人が大なり小なりローン・分割払い・クレジットカードを利用して、欲しいものを早めに入手しています。

 

こうした行為は債務地獄に陥る危険がある一方、先行投資を可能にして収入を増やしたり、人生の満足度を上げる効果も持ちます。

 

典型的なのが教育投資で、ローンで学校に行ったり、資格を取ったりすることが就業や昇進の機会を増やします。

 

事業を始めるにも、全額貯金が貯まってからとなると、始めるまでに大変な時間がかかります。

 

車の購入も現金払いなら貯まるまで何年も待つ必要がありますが、ローンならすぐに手に入り、それが生活の利便性と満足度を上げ、時間の余裕まで生んだりします。

 

自己破産するということは、10年間、こうした便益を受けられなくなるということです。

 

住む場所についても、10年後の年齢で住宅ローンを組んでマイホームを手に入れるのは難しいのではないでしょうか?

 

非常に若ければ別ですが。

 

自己破産した以上、上記のようなことはあきらめるほかありません。

 

それが借りたお金を帳消しにしてもらった代償です。

 

しかし、見方を変えれば、この状況はメリットでもあります。

 

借金癖を治し、自分を制御するワザを身に着けるには最高の環境ではないでしょうか?

 

そして、使えるお金を増やす方法を変える努力をするのです。

 

借りて増やすのではなく、より多く稼ぎ、より無駄な経費を削ることで増やすのです。

 

自己破産を選んだ人には、ブラックリストをこうした世界に入るための助けと捉えていただきたいものです。

 

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