【元取立屋のみてきた人たち|自己破産者の体験談】

貸す側からみた破産者の肖像

信販会社で取り立てをやっていた人が、自分が出会った自己破産者について書いた本があります。

 

「自己破産の現場」 岡崎昂裕 著 角川ONEテーマ21 刊

 

少し古い本ですが、登場する自己破産者をスケッチしておきます。

 

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破産者ファイル 1

会社が倒産して失業。当初はさほど悲観していなかったが、1年経っても仕事がみつからない。

 

家賃の安い公営住宅に移ることを考えたが、それには持ち家の売却が条件。

 

ところがその査定額は住宅ローン残債の2/3に満たないオーバーローン状態。

 

一時は妻子を道連れに自殺まで考えたが、ついに自己破産を決意。

 

弁護士を雇う金もなく、自分で手続きを取った。

 

お金はないが不動産があるので管財手続。

 

書類の多さ、複雑さに悩まされながら、免責とその後の復活に向けて歩き出す。

 

破産者ファイル 2

200万円以上の残債があるのに滞納している女性。

 

友人の呉服の営業レディーに営業協力してあげるため、名義を貸して借金が膨らんだ。

 

名義を貸すことの重大さがわかっておらず、「あの人はよく知っているから大丈夫」「彼に限って人を裏切ることはない」などと感情的な理由だけで応じる人は少なくない。

 

後日、彼女は自己破産を申し立て。

 

件の営業レディーも同時期に自己破産申立てしていて、二人は今も付き合いがあるらしい。

 

借金の原因を作った人間とその被害者がタッグを組むという、不思議だが時々あるパターン。

 

破産者ファイル 3

3件の絵画(それもリトグラフ)購入で700万円の債務を抱えた人が滞納を始めた。

 

電話がつながらないので自宅を訪ねると誰かが占有しており、登記簿を調べると競売にかかっていた。

 

夜逃げ状態で困ったのだが、件の画商は財テク目的で絵を売っており、売った商品を保管しているという話を耳にした。

 

その画商を訪ねて絵のありかを問い詰めたところ、客に渡さずに店に保管していることを認めた。

 

信販での支払いはまだごくわずかだったので、キャンセル返金を迫った。

 

相手はその場では応じず、出直しに。

 

しかしその後、夜逃げをした人の自己破産申立ての通知が来て青ざめた。

 

自己破産で債務が帳消しになれば、回収は不能になる。

 

もしかして画商とグルで空クレジットを組んで現金化したのか?

 

はっきりしないが、そうではない方に賭けて、画商からの回収を再度試みた。

 

自己破産の件は知らんぷりをして加盟店契約破棄を盾に再度、画商にキャンセル返金を迫り、回収に成功した。

 

破産者ファイル 4

ある時の取り立ての相手は司法書士。

 

苦労して資格を取り、それなりにうまく行っていたが、世の中が不景気になり、借り入れが増えて自己破産。

 

司法書士などの士業は自己破産するといったん資格を失う。

 

免責を得るまでの短期間のことではあるが、いったん失った顧客や信用を再構築するのは容易なことではない。

 

破産者ファイル 5

休日に信販の申し込みがあり、自分が決裁したのだが、一回目の支払いから滞った。

 

信用情報はもちろんチェックしたが、よく見ると他社への問い合わせがあり、金額がゼロだった。

 

つまり他社に申し込んで断られているのにOKしたことになる。

 

完全なミス決済だった。

 

訪問してみると糖尿病を患う中高年の寡婦だった。

 

いろいろクレジットで買っているようで、月々の返済額を下げる「再分割」の常習犯だった。

 

しばらくして自己破産の通知。

 

さびしさを紛らすために浪費したに違いない。

 

破産者ファイル 6

軽い延滞の催促の件で、瀟洒な住宅を訪ねたことがあった。

 

30前後の上品な奥さんが対応してくれて、幸せそうに見えた。

 

その時の事は忘れていたのだが、数カ月後にその債権はもっと重度の延滞の係りに回されていた。

 

訪ねてみると少し前の面影がないほど荒れ果てている。

 

近所に聞き込みをかけると、大勢の人が押しかけて怒鳴り声が聞こえた翌日、親子は家を出て行った様子だという。

 

翌日、不動産登記謄本を取ると、バブル絶頂期に買ったものだとわかり、オーバーローンであることは明らか。

 

何とかせねば、と焦っていた矢先、破産申立ての通知が届いた。

 

クレジットでの買い物は車だったので、それを引き上げようとするが、勝手に転売された後だった。

 

まとめ

破産に至る人の様子はやはり悲哀を帯びているようです。

 

しかし、この本に収録されているのは破産申立てまでの話ばかりです。

 

問題は免責を得て、借金がすべて帳消しになった後のこと。

 

自己破産の件数の9割を占める同時廃止手続の場合は、申し立てから免責までわずか3カ月ほど。

 

弁護士に頼んだ時点で催促が止まり、3カ月待てば借金がすべて棒引きになり、新しい人生が始まるのです。

 

管財手続きになってしまった場合でも半年〜1年程度の辛抱です。

 

免責後は収入は全部自分のもので返済はもうありません。

 

その時、前を向いてしっかり生活を立て直せるかどうかでその後の人生が変わります。

 

復活を目指してがんばりましょう!!

 

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