【官報公告|自己破産のデメリット】

大半の人が一生目にしない特殊な出版物

自己破産をすると官報という国の機関誌に名前が載るのは事実です。

 

これを大げさに言い立てる人もいいますが、ではあなたはこれまでの人生で一度でも官報を読んだことがありますか?

 

官報は特殊な職業の人しか読まない出版物で、それがもとで人に破産を知られる危険はとても低いのです。

 

官報公告について説明しましょう。

 

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官報とは?

官報と日本国の機関紙で、国としての作用に関わる事柄の広報・公告を使命としています。

 

明治時代に始まった日刊紙で、独立行政法人国立印刷局が印刷しています。

 

全国の官報販売所で買えますが、目立たない場所にある地味な店で、各都道府県にほぼ1店ずつ程度しかありません。

 

価格は32ページ単位で140円。日によってページ数や値段は変わります。

 

官報の内容
法令の公布 憲法、条約、法律、政令、省令、詔書、告示等
広報 国会の動き、トップレベル公務員の人事、叙勲等、皇室行事、官庁の報告、閣議決定事項、国際収支状況
公告
  • 押収物還付、建設業許可の取消処分(各省庁の公告)
  • 日本国政府調達
  • 公債抽選、公債償還、行旅死亡人、無縁墳墓改葬(地方公共団体の公告)
  • 除権決定、破産・再生・会社更生関係(裁判所の公告)
  • 合併公告、決算公告(会社の公告)

 

無味乾燥な文章が充満した退屈な誌面の後ろの方に、自己破産や個人再生をした人の氏名を載せるコーナーがあり、1日だけ名前が出ます。

 

【官報の破産者公告面サンプル】

官報の破産広告面サンプル

 

商業的に成立しているとはとても思えない出版物ですが、国としては「国民へのお知らせはちゃんとしたぞ。」と言い訳できる証拠が必要なのです。

 

インターネット官報

現在は官報をインターネットで閲覧することもでき、過去30日分は無料で、それ以前の分は有料で見ることができます。

 

しかし、氏名を検索するような機能はなく、人間が1日分ずつ1ページずつめくって探すしかありません、

 

よほど明確な仕事上の目的がないと、毎日チェックなどできるものではありません。

 

官報の読者

では、官報の読者はどんな層なのでしょうか?

 

市役所などの税担当、銀行などの不良債権回収担当などが代表です。

 

運悪くこういう仕事の人が身の回りにいたら、偶然知られてしまう可能性はあります。

 

企業の人事部が調べているという説がありますが、普通の企業ではこんな効率の悪い目的の不明確な作業をやる余裕はありません。

 

まずそんなことはないと思ってください。

 

生命保険の外交員は破産者はできないので、保険会社の人事部では調べているかもしれません。

 

銀行の人事部なども可能性はあります。

 

しかし、社員や採用予定者でなければ、見落とす可能性も大きいでしょう。

 

闇金業者

闇金業者にとって官報は宝の山なので、愛読者です。

 

自己破産した人はたいてい自己破産後もお金に困っているが、普通の金融機関からは借りられないので、闇金の独壇場です。

 

他社の借金は帳消しになっており、給与や年金は全部自由に使えるので、取り立てるお金は持っています。

 

そういうわけで、闇金業者は官報を定期購読し、破産者のリストを作って営業をかけてきます。

 

自己破産後に「タイミングよく」融資のお誘いがきたら、それは闇金なので、絶対手を出さないよう、気をつけてください。

 

 

 

以上のように、官報は読者層が極めて狭い特殊な出版物です。

 

あなたもおそらく、これまでの人生で一度も読んだこともないし、存在すら知らなかったのではないかと思います。

 

人口の99%以上が一生目にすることはないのではないでしょうか。

 

そんなものに名前が1日だけ出たことが原因で自己破産が周囲に知られる可能性は、ほとんどないと考えて大丈夫です。

 

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